吃音(どもり)治療で腹式呼吸など呼吸法だけで
本当に改善されるのでしょうか?

根本・本質的に吃音(どもり)は治るのでしょうか?


こんな言葉があります

吃音研究で著名なウェンデル・ジョンソンが言った言葉で

「吃音は、吃音と診断されたときにはじまる」


この言葉は、吃音の本質を捉えているとてもわかりやすい言葉ですね。


要するに、本人がどもる事を意識・認識していなければ、
どんなにどもっていようとその本人は
吃音者だとは気が付いていないということでしょう。

しかし、どもることを他の人に笑われたり指摘されたりと、
そこで、「吃音」という現象や症状を意識・認識するようになり、
「ちゃんと話す」という概念と
「どもる」という概念の二つの異なる概念が生まれてしまうんです。

これこそが、吃音者へのスタートで日頃のストレスとなり、
どんどん悪化していく原因なんです。


本来なら、発吃した原因であるストレスがなくなった時点で、
「吃音」という自己防衛現象の役目は終わり、自然と消えていきます。


ほとんどの幼児の吃音はこうして改善されていくのですが、
「どもること」に対しての問題意識が芽生えてしまった一部の
人間の中では吃音という現象だけが消えずに残り、
心の中で独立してしまいます。
 
 
 
独立してしまった吃音は、もはや自己防衛の表現でも
なんでもなく、ただ自身を苦しめるだけの存在です。
 
 
 
「ちゃんと話せるかなぁ」、「恥をかきたくない」
などの心配や恐怖が付きまとうようになり、さらに
「どうして自分はこのようになってしまったのだろうか?」
「どうすれば普通に話せるようになるのだろうか?」と
自問自答するようになります。


そして、上手にしゃべれるように訓練に勤しんだりして、
そうした意識や行動が、吃音に対する“認識”をより一層
強化させます。
 
 
 
こうなってくると、人と話す事からにげるようになり、
話す頻度が極端に減ります。
 
 
 
さらに、どもりを繰り返すことで、精神的にも肉体的にも、
どもりのプロフェッショナルとなってしまいます。
 
 
非吃音者では起こり得ない状況、
つまり『吃音脳』が発展してしまっているんです。
 
 
 非吃音者にとっては、どもる事に対しての
条件反射などあり得ません。
 
 
 
「あ、今ちょっとどもりそう・・・」などとは思わないのです。
 
 
 また、非吃音者は言葉を発する事に対していちいち
意識したりなどしません。
 
 
 緊張した場面では、「上手くしゃべれるかな」
「上手くしゃべらなきゃ」と心配する事はだれでもありますが、
“言葉が出てくるかどうか”の心配などは絶対にしないでしょう。
 
 
 
このような段階を経ることで、
吃音は徐々に固定化されていきます。
 
 
 
この状態に陥った人が「吃音者」と呼ばれます。
 
 
 
「吃音は、吃音と診断されたときにはじまる」という言葉のとおり、

心の面から根本・本質的な部分をしっかりと改善していく必要があります。







発声や腹式呼吸など呼吸法で吃音治療ができる?吃音治療はどもる事に対する意識・認識の本質を変えることで吃音(どもり)の症状は根本的に改善せれていきます。